ひとりといっぴき時々かあちゃん

母直伝 "良いものを長く大切にする暮らし"

散骨は究極のミニマリズム?母はお墓を持たない選択をした

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この記事がアップされる頃、わたしは母のお墓参り中です。
母のお墓は海の中、生前の「終活」で自ら選択した方法でした。

本日は、お墓を持たない選択をした母の散骨体験のお話です。 

 

「ここに撒いて」と母は言った

母が亡くなる1年前、生まれて初めて母娘2人で旅行に行きました。

行き先は母の故郷。

祖父母は、わたしが生まれる前に亡くなっていたので実家は既になく、母自身故郷に帰るのはうん十年振りと言う里帰り旅行でした。

故郷の港町にはお墓もあるのですが、お墓参りをした後に海まで来て「死んだらここに撒いてね」と場所を指定されました。

「お墓に入らないの?」と聞くと「狭くて暗い所は嫌いよ」と言います。

その帰りに叔父の家に寄った時も「死んだらあの漁港に撒いて」と宣言。

我が家では母の言う事は絶対、到底逆らえません(笑)

 

母よ、簡単には撒けないのだ!

旅行中は良く食べ良く歩いていましたが、帰った直後から母の容態はガクっと悪くなり、1年もしないうちに亡くなりました。 

叔父や叔母には「なこちゃんの気持ちが落ち着くまで側に置いておいたら?」と言われたので、2年程遺骨は我が家にありました。

そろそろかなぁと散骨業者を調べてみると、母の指定した場所にピンポイントで撒ける業者さんはなく…でも同じ湾内に撒ける所があったので、そこで散骨をすることにしました。

かあちゃん、撒いてって言うけどそう簡単じゃなかったよ… 

ちなみに、勝手に遺骨を撒いたら不法投棄になっちゃいます。

 

海洋散骨の大きな流れ

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海に散骨する場合、海洋葬や海洋散骨、自然葬と呼ぶようです。

我が家の場合の流れをご紹介しますので、散骨をお考えの方の参考になればと思います。

 

1.場所と日程の調整

まずは電話で申し込みです。

散骨場所と散骨日の希望を聞かれ、現地の担当業者に確認の上、折り返し連絡があります。

利用したのは、普段は東京でクルージング等を行っている会社です。

東京で散骨する場合は自社の船を使用しますが、地方で散骨する場合は各地の港にあるマリンレジャー業者さんと提携しているそうです。

 

2.申込書類送付

・申し込み書
・施行同意書
・埋葬許可証
・遺骨粉末化同意書 等

散骨に必要な資料を送付します。

お墓に入る時と同じで、火葬時に発行される埋葬許可証がないと、散骨はできません。

 

3.費用の振込

東京近郊では合同葬もしているそうですが、我が家は場所の指定があったので個人葬になりました。

費用は22万円(遺骨の粉末化は別途料金がかかります)でした。

クルーザーの乗船人数は最大6名、金額は1人でも6人でも変わりません。

業者やプランによって、金額は異なりますので参考までに。

 

4.遺骨の粉末化

遺骨は火葬したままの状態で散骨することは出来ないので、粉末化する必要があります。

粉末化は配送でも可能なのですが、トラックに揺られるのはちょっと可哀想な気がして、骨壺を抱えて直接手渡ししに行きました。

遺骨は、水に溶ける紙の袋に6等分に分けて入れられ、桐の箱に納められて返ってきます。

ちなみに、骨壺は処分してもらいました、使い道ないもん。

遺骨は全て散骨してもいいし、分骨してもいい、これは個人の自由です。

 

5.現地集合・出港

現地では、セレモニー担当者さんが出迎えてくれます。

船長さんからご挨拶と、セレモニー担当者さんから航行コースの案内あり、ライフジャケットを着てクルーザーに乗り込み出港です。

船長さんが、船から見える景色を案内してくれて観光気分です。

安全上、喪服やヒール靴での乗船はできません、普段着が妥当です。

 

6.セレモニー

散骨場所に着いたら、セレモニー開始です。

・開始の汽笛
・散骨及び献花
・黙祷(号鐘)
・散骨海域を旋回
・終了の汽笛

水溶性の袋ごと海に撒いても良いですし、袋から出して少しずつ撒いても良いそうです。

献花用のお花は散骨費用に含まれています、個人で追加してもよいですし飲料なら海に献杯できます、固形物は不可です。

 

7.帰港・現地解散

帰港後に、散骨実施確認書をもらい、現地解散です。

 

8.散骨証明書発行

後日、散骨証明書という「誰をいつどこに散骨した」という証明書が送られてきます。

地図上に散骨場所の北緯東経が記されていて、お墓参りがしたい時はこの場所まで連れて行ってもらえます。(別途料金必要です)

 

散骨のメリットとデメリット

何事もメリットもあれば、デメリットもあります。

人が亡くなると、故人の意志があっても色々な問題が立ちはだかる場合もありますしね。

 

メリット

・お墓を管理する必要がない
・宗教を問わない
・自分の手で埋葬できる

母は「通夜葬儀戒名墓不要」と言っていたので、家族のみで荼毘に付し散骨しました。

お墓の管理も必要ないですし、法事もしていません。

叔母は「わたしも同じ所に撒いてもらいたい」と言っているくらいですし、遺族の理解さえあれば、残された者にとって後々の負担が少ない埋葬方法と言えます。

また、気が済むまで一緒に居て、遺骨を手に取り自ら海に撒けるというのは、個人的にはとても穏やかなお別れが出来たと思います。

晴天の中みんな笑顔で、青い海に沢山のお花と一緒に散っていきました。

 

デメリット

・お墓がない
・遺族の理解が必要
・天候に左右される
・船酔いする

遺骨は大海原を漂っているので、お墓に行って会うことは出来ません。

すでにお墓がある場合は管理問題も含め、故人の意志があったとしても遺族全員の理解が得られないといざこざに発展する場合もあるかもしれません。

なにより、海が相手なので予定通りに行かないのなんの!

我が家も、台風や時化によって2回中止になり、3回目の正直でやっと実施出来ました。

また、船を走らせている時は衝撃の方が大きかったのですが、散骨場所に着いて止まった途端に揺れを感じて気持ち悪くなりました。

すぐに慣れましたが、船酔いが激しい人には厳しいかも

 

散骨を快く思わない人もいます

散骨を実施している港の近くに住む方の中には、散骨反対という方もいらっしゃいます。

漁業を生業としている方の立場で考えれば「死体を撒かれている」「ゴミを撒いている」という気持ちになるのもわかります。

葬儀場を作る時に周辺住民の反対があるように、散骨だって同じなのです。

故人の意志とはいえ、残念ながら皆がハッピーになる方法ではないというのが現実です。

 

死後に何も残さないというミニマリズム

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母の「通夜葬儀戒名墓不要」という選択は、現代におけるミニマリズムだなと思いました。

核家族化が進み、結婚しない人や離婚する人も多い。

「家族」と言っても色々な形がある現代では、お墓というのは心の拠り所でもある一方、自由度に欠ける存在でもあるのかもしれません。

墓主がいなくなって「墓じまい」をするにもかなりの費用がかかりますし。

「献体」を志願する人も増えているそうで、わたしも死後の身体は抜け殻でしかないから、自然に帰るか誰かの役に立つほうがいいなと思っています。

最近よく耳にする「終活」、身の回りの物を整理するだけでなく、お墓の事も考えてみてはいかがでしょうか。 

今回はいつもと少し違う趣向でお送りしました。

海を眺めて、献杯して、美味しいお魚を食べて帰ってきます!

 

 

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