良いものを長く大切に、これは母から伝授された暮らしの指標です。
その母の教育は少し独特で、今思うと面白いものばかりでした。
本日は、寝起きの悪い娘に対し母が実践した朝の習慣のお話です。
寝起きはいいが機嫌が悪い
秒速で寝て瞬時に起きる、寝付きも寝起きもいいのは昔からです。
ただね、パッと起きれるが、機嫌だけはすこぶる悪いという厄介な体質で…
朝の忙しい時に、ムスッとしているとか、母の立場から考えると最高に面倒くさい娘です!
基本的に、自ら考えて行動しなさいという教育方針だったので、母から「◯◯しなさい」と言われたことはほとんどありません。
それにしたって、朝っぱらからご機嫌斜めな娘には、小言のひとつも言いたかったはず…よく耐えていたなと思います。
母が定めた朝の3ステップ
母はこの最高に面倒くさい娘に、毎朝の3ステップ踏ませていました。
最初は渋々母の儀式に付き合っていたわたしも、大学生になる頃には自らアクションを起こすように。
ご機嫌斜めな娘が改心するまで、随分と時間が掛かりました(笑)
1.朝の第一声は大きな声で
まずは基本の挨拶。
大抵キッチンから満面の笑みで「おはよう!」が飛んできます。
無視しようもんなら「おはようは?」と催促され、「…ぉは…ょ」声が小さいと「聞こえない」とお叱りが。
高校生くらいまで、毎朝おはようにダメ出しされていました。
目覚めの第一声って、大事です。
口先だけで喋るのではなく、お腹の中から大きな声でおはようと言うだけで、自然と脳みそが動き出します。
2.自然を眺め日光を浴びる
次に「朝焼けがキレイよ」とか「メジロが来てたよ」とか「桜が咲き始めたよ」とか自然の話をされ、それを見るよう促されます。
東京の田舎町、自宅前の川や、庭の木々、動物、観察対象は無限大です。
見て来いと言われると、必然的に窓際に行き朝日を浴びることになります。
実は、太陽の光を浴びると、交感神経が刺激されることでセロトニンが分泌され、眠っていた脳が覚醒されるという効果があります。
母がこの効果を知っていて実践していたかはわかりませんが、朝焼けを眺めたり外の空気を吸うと、自然と心が穏やかになりました。
3.昨日を振り返り脳を始動
第一声を発し、日光浴をした所で、次は昨日の話をされます。
「昨日は寄り道したの?」とか「遅くまで課題やってたの?」とか、他愛のない話です。
でも、昨日の事って案外忘れがち、思い出す作業はけっこう頭を使います。
この作業のメリットは、昨日を振り返ると今日やることを思い出すので、自然と脳内で1日のToDoリストを組み立て始められること。
高校生になると帰宅が遅くなる日が増えたので、コミュニケーションを増やす意味もあったのだと思います。
3ステップを続けた結果
長年の習慣だった朝の3ステップ、母亡き後もずーっと続けています。
1人でも「おはよう!」と言い、カーテンと窓を開けしばし朝焼けを眺めて外の空気を吸い、支度をしながら「昨日はブツブツ…」と呟く。
おかげで、彼には「寝起きが悪いと思ったことはない」と言われますし、頭が冴えて整理されるので、1日のタスクがスムーズに進みます。
空を見上げたり、四季の移ろいを感じたり、自然の変化を楽しめるようにもなりました。
景色を眺める心の余裕がない時、3ステップを思い出し我に返ったことも。
朝のイメージは社会を制する
母と繰り返した朝の儀式は、社会人になった時とても役立ちました。
サラリーマン時代のわたしは、毎朝こんな感じでした。
「おはようございまーーす!」
「今日お天気いいですね」
「駐車場の梅が咲きましたね」
「昨日あれからどうなりました?」
「残業してましたけど大丈夫です?」
挨拶から始まって、天気の話をして、仕事の話をしつつ相手を労る。
すると、相手も自然に仕事モードに切り替わってくれるので、お願いしていた仕事もスムーズに進みます。
そのうち「昨日の満月大きかったよ〜見た?」なんて話し掛けてくれたり。
「朝会えると元気でるよー」とか「今日も頑張れる」と言われたり。
おじさま方に言われると半ばセクハラですが(笑)朝のコミュニケーションで機嫌良く仕事をしてくれるなら、むしろご機嫌取ったもん勝ちだと思っていました。
そして、気がついたのです。
母は娘に対して「相手を自然とご機嫌にさせる作戦」を実行していたのだと!
朝こそ気持ちを正すチャンス
大人になると、矛盾と向き合わなくてはならない事ばかり、努力は必ずしも報われないし、心が折れるなんて日常茶飯事です。
でも、社会人である以上、条件や周囲に合わせる事も必要な訳で。
そうなると、自分本位で自由にコントロール出来るのは「気持ち」です。
嫌なことや辛いことがあっても、寝て起きて少し気持ちがリセットされた状態で気持ちを正せば、また今日も1日頑張れる。
だから、朝はチャンスなのです。
ついでに、周りも巻き込んでしまえば、自分にもプラスに働く。
「朝会いたい人」でありたい、そうすればきっと良い空気の流れを作れる気がします。
▼朝白湯で身体の中から気持ちよく
▼革靴に出会ったのも母の教え
本日も最後までご覧頂きありがとうございました。
みかんは寝起きでもご機嫌でした♪
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